記事一覧

アリスと魔王 第27話

「ウェーイーンくーん!手伝おうかー?」|一つ目の巨人《サイクロプス》と絶賛激闘中のウェイン君に声をかける。こん棒を潜り抜けて足や腕、胴を切りつけるが固さに押されて刃が通らない。「ウェインくーん!集中集中ーー!!心現術でしっかり研ぎ澄ましたら君なら斬れる!!」私が声援(ガヤとも言う)を送ると「まっ・・じかっ!!」|一つ目の巨人《サイクロプス》のこん棒を避けながら唸る。んー、ウェイン君にはまだ早いかな...

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アリスと魔王 第26話

うっすらと辺りが見え始めた。「ミシェル、ウェイン」二人の肩を叩いて起こす。「明け始めたわ、出発しましょう」二人は殆ど無言で支度を始める。辺りに魔物の気配はない。私は一応いつでも使えるようにルシールに巻いている布も外しておいた。背中から抜きやすいようにしておく。まぁ基本はミスリルの|片手剣《ショートソード》を使うつもりだが念の為だ。それを見たウェインがさっきまで眠そうに半開きだった目を見開いた。「気...

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アリスと魔王 第25話

「はー、さみしーなー」「・・・」「はー」「・・・・」「さーみーしーいーなー」「うるさいな!もう分かったから!」ウェインが馬を引きながらぼやく私に黙るように言う。「あんなに賑やかだったのが静かになってしまうと確かに寂しいですね。」ミシェルが私に同意してくれる。グランシトを出てから半日もたった頃、三人で王都迄の道なき道を歩いていた。王都は東側はタタラ山脈があって沢づたいに入るルートがあるらしいが日数が...

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アリスと魔王 第24話

遠くに今まで見たこともないくらい大きな都市が見えてきた。闘都よりも遥かに大きい。「見えてきたな、あれがグランシトだ」相変わらず走っているウェイン君。「でっかい町だね!」エレンがはしゃいでいる!エレナは少し元気がない。「どうしたのエレナ?」「さては寂しいんでしょ?この町についたらアリスさん達とお別れだもんね」ヨーメさんがエレナに聞いた。エレナは下唇を出して今にも泣きそうだ。か、可愛い!「そーなの?エ...

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アリスと魔王 第23話

ガタゴトと馬車は進む。相変わらず走っているウェイン君。毎朝、稽古をするようになって1週間。まだ私から一本もとれていないが心現術はかなり上達して走りはじめて一時間以上経つがまだ息は乱れていない。私はミスリルの|片手剣《ショートソード》の魔法石をつかんで魔力の流れを感じている。心現術に比べるとかなりコントロールが難しい。心現術は強くイメージすれば形になるのに対して魔力はそこにあるのは感じるのに動かそう...

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アリスと魔王 第22話

馬車はガタゴトと道を進んでいく。あのあとウェインも岩斬りに挑戦したが出来なかった。私は馬車のなかに入ってミスリルの|片手剣《ショートソード》に魔力を込める作業に没頭していた。うーん、魔力が伝わっていく感覚は分かるが、それをコントロールしようとなるとさっぱりわからない。「全然出来ない、ミシェル何かヒントないの?」「私も杖を持っていなければ魔力の流れを感じられません。出来るのは魔法石が吸い寄せる魔力の...

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アリスと魔王 第21話

「かったい!」ミスリルの剣が高い金属音をたてて弾き返された!「|岩の巨人《ロックゴーレム》はただの石の塊じゃない!魔力を帯びている、斬硬度は相当高い!弱点は打撃だ!」|岩の巨人《ロックゴーレム》の攻撃を避けながらウェインが叫ぶ!ウェインを襲っていた|岩の巨人《ロックゴーレム》が不意に標的を変えて唸りをあげて私に襲いかかる!3~4メートルはあろうかという巨体から繰り出される拳は圧巻だ!キワキワで避ける...

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アリスと魔王 第20話

まだ、日の昇らないうちに部屋を出て酒場でコーヒーを頼んでゆっくりしているとミシェルがやって来た。「朝、早いんですね」「昔っから早起きして鍛練するのが日課になってたから起きちゃうのよね」「今日もされたんですか?」「軽く素振りしたくらいよ」「熱心ですね、どうしてそこまで強くなろうと思われたんですか?」「大した理由なんて無いわよ。一人で旅に出るのが夢だったから。護身術程度にしか思ってなかったけど」「けど...

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アリスと魔王 第19話

まず、ギルドに寄ってもらって|飛翔悪魔《ガーゴイル》を下ろしてもらった。「では、すみませんがエレンをよろしくお願いします。エレン、アリスさん達の言うことをよく聞くのよ、迷惑をかけないようにね」ヨーメさんがエレン君に釘をさす。「大丈夫だよ母さん」「それでは、また後で」見送ってからギルドに入っていった。受付嬢さんとすぐに目があった。「アリス様どう・・」言いかけて私たちの持っている包みを見る。「まさか、...

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アリスと魔王 第18話

「じゃあ、なんで生きてるの?」頭が真っ白になった。胸に手をあてると確かに・・・動いていない。今まで気付かなかった自分がちょっと可笑しい。「恐らくですが、ノイマン様の・・・・つまり、|人造人間《ホムンクルス》の核を移植したのではないでしょうか」核?「それなに?」「詳しくはわかりません。天上の石、神々の杖の欠片、賢者の石。そして、魔王の心臓。等と言われています。つまり、この世の物とは思えない凄まじい力...

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アリスと魔王 第17話

「・・・・・ま・・じかっ・・・・」その光景を見たウェインは呟いた。絶句しているウェインをこきつかって馬車を起こし、一応ミシェルに位置探査の魔法で他に|飛翔悪魔《ガーゴイル》がいないか調べてもたった。反応が無かったので大丈夫だろうということにした。ダナンさん(助けた家族の父親)一家は北の港町から闘都に向かう途中だったらしい。せっかくなので一緒に行くことにした。お礼に闘都まで|飛翔悪魔《ガーゴイル》を運...

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アリスと魔王 第16話

「ちょっ!ちょっと待ってくれ!」フラフラで肩で息をしながらウェインが止まってしまった。「なっさけないわね、女性に遅れはとらないんじゃ無かったの?」「・・・また・・・それか・・・・わ・・・・わるかったよ」息も絶え絶えだ。「力いっぱい走りすぎなのよ、歩くくらいの力を心現術で目一杯加速させるイメージで走んなきゃ」「アリスさん凄いですね、早いものをさらに早くイメージするのは簡単ですが、ゆっくりのものをここ...

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アリスと魔王 第15話

「あっ、騒がしくてスミマセン。ポーションと|飛翔悪魔《ガーゴイル》の一部があれば欲しいのですが」ミシェルが応じた。「いえいえ、ポーションに|飛翔悪魔《ガーゴイル》ですか。討伐依頼ですかな?」「えぇ、そうです」「ほほぅ、ということはお二人共、Bランクの冒険者で御座いますか。こんなに可愛らしいのに勇ましいですな」確かに、ミシェルは可愛い。とても22才に見えない、10~5か6くらいに見える。「いえいえ、そんな...

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アリスと魔王 第14話

書類を持ってウェインの座っているテーブルに戻った。「早かったな」「受付の方がアリスさんをご存知だったので滞りなく済みました」「そうか、依頼書は?」「こちらに」ミシェルさんが差し出した三枚の紙にはそれぞれ依頼内容が書かれていた。テーブルの上に並んだ依頼書には|飛翔悪魔《ガーゴイル》討伐~金貨110枚|森の巨人《トロル》討伐~金貨70枚|小型翼竜《ワイバーン》討伐~金貨95枚それぞれに場所の示された地図と被...

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アリスと魔王 第13話

「ミシェルさんのお仲間って・・」「はい、私はウェゲナー家に仕える護衛みたいな立場でして。」「どーも、話はミシェルから聞いているのかな?」体をこっちに向けて酒瓶を持ってカウンターに肘をついている。「いえ、ウェイン様と合流してからお話ししようと思いまして」「そうか、マスター!そこのテーブル席使っても?」「構わんよ、注文してくれたらな」ごりっとした|図体《ガタイ》の良い店主が応じた。「どーも、さっ!座って...

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アリスと魔王 第12話

「では、優勝したアリス選手にインタビューしたいと思います!」そう言われた瞬間、私は真っ青になった。「熾烈な戦いになるかと思いきや、圧倒的な大勝利でした!今の気持ちはどうですか?」そう言って拡声魔法のかかった杖を向けられた「えーっと・・・ソーですね」声が裏返った・・・耳まで真っ赤になっているのが自分でも分かる・・・穴があったら入りたい・・・・「おほん・・・まさか、優勝出来るとは夢にも思っていなかった...

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アリスと魔王 第11話

「レディーースエーンドジェントルメェーーン!!等々やってまいりました!!!闘都ドーラシトの武闘大会!!!!決勝戦の始まりです!!」会場から割れんばかりの大歓声が響き渡る。「決勝戦は共に初出場!!闘都の誇る猛者たちを圧倒的な実力で蹴散らして決勝戦まで難なく勝ち上がってまいりました!!ご紹介いたします!!大剣を振るえば自分の倍はあろうかという相手を一撃で吹き飛ばし!!!前の準決勝では圧倒的なスピードと...

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アリスと魔王 第10話

出てきたのは飾り気はないが美しい光沢を放つ白銀に輝く全長70㎝程の使いやすそうな片手剣《ショートソード》だった。柄にはルシールにもある魔法石《アミュレット》が填まっていた。「持ってみてくれ」取り上げてみると大袈裟じゃなく羽のように軽かった。「軽いだろう。希少金属、ミスリル製だ。ドワーフの名工がエルフに贈るのに造ったっていう代物でな」「エルフとドワーフって仲悪くなかったっけ?」「そうだ、仲が悪い。でも...

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アリスと魔王 第9話

「ふー」緊張した。試合中よりも入退場の方が緊張するのはおかしな話だ。確かに、手強い相手ではあったけど〈剣と拳の都・闘都〉とまで言われている武闘派の都市が開催する年に一度の武闘大会としては準決勝でこんなもんか?っと思ってしまった。散々に稽古はしてきたが正直、拍子抜けもいいところだ。次の試合は明日、どっかの貴族とか言ったっけ?今日の相手よりは強いのかな。旅に出て半年。ノイマンが死んで半年か…窓際に椅子...

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アリスと魔王 第8話

「レディーースエーーンジェントルメェーン」巻き舌の心地良い実況こだまする。「お待たせいたしましたっ!闘都ドーラシトの武闘大会準決勝第二回戦を始めますっ!先程の準決勝第一回戦では王都の自称・四大貴族のはみ出し者!ウェイン・ウェゲナー選手が相手を全く寄せ付けない見事な圧勝劇を見せてくれましたっ!ですが、この準決勝二回戦も見逃せない名勝負になることは間違いありませんっ!珍しくも女性同士の準決勝となりまし...

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